【似非Leicaエルマー】沈胴レンズ ロシア(ソ連)製FED50mmF3.5【試写】

似非エルマーの存在に気付いたのは僕がカメラ屋巡りを行っているときだった。コロナの影響もあって撮影しづらいというか、ちょっと写真熱が冷めきっている状態だった。

枚方から大阪駅前近くにあるカメラ屋行くのが、僕の週末ルーティンとなっていて、京阪枚方市駅から乗り京阪電車で特急30分ぐらいで淀屋橋駅に到着する。いつも音楽を聴きながら、車窓を眺めるのがちょっとした楽しみだ。

カメラ屋巡りで出会ったレンズ

もう一つの楽しみが大阪梅田に存在するカメラ屋巡り。

京阪淀屋橋駅に到着し、徒歩で中之島を抜けて梅田方面を目指し、大阪駅前3ビルと駅中央店の八百富写真機店、カメラの大林、梅田フォトサービス、カメラのナニワ、マツモトカメラの順番に巡って、帰路につくというものだ。

天気が良い日は中之島公園で時間を潰し撮影し、カメラ屋を巡り昼食を済ませて帰る。そんなルーティンの中で見つけたのが今回のFED50mmF3.5というレンズ。

レンズを買った理由

FED50mmF3.5を買った理由には、ちょうど暇を持て余していた富士フイルムのカメラボディにLeicaMマウントを装着できるアダプタが残っていたことだ。

数千円使って購入したのに、レンズそのものがないため使わずカメラリュックの中に入れておいた。いつ使うかも分からないアダプターを持っているものはもったいないし、どうしたものかと考えていたところ、大阪駅前3ビルの八百富写真機店の棚に置かれたFED50mmF3.5というレンズが目に入る。

財布にLeicaレンズを買うほどの余裕はない。確かLeicaエルマーの似非レンズであり、LeicaLマウントだったはず。MからLへ変換するアダプタは持っていたので、付けることは出来る。

Leicaエルマー自体を購入することを考えると6万円近くは予算を組む必要がある。年々レンズ相場が高騰し、2万円で買ったレンズが8万円までになっていた。

そんなんもん買えるかと思っていた矢先に登場したのが、Leicaエルマーの似非レンズ「FED50mmF3.5」というレンズだったのである。

店員さんが何気なく持ってきた1本

「すいません。FED50mmF3.5を見てもいいですか?」と店員さんに声をかけて、棚からレンズを数本取り出してもらう。レジのところで触らしてもらうが動かない。ヘリコイド固まってしまい、撮影することさえ困難だ。

ヘリコイドというのはピントを合わせる機構部分のこと。繰り出して動かす。ヘリコイドが動かないということは動作確認は出来ない。ピントも合わせられないレンズということになる。

ヘリコイドのグリス交換自体はやろうと思えば出来るけど、そこまで費用と手間をかけてやろうと思ってもいなかったときに、店員さんがどこからキレイなFED50mmレンズを持ってくる。

「こちらとかどうですか?」と触らしてもらうと、ヘリコイドは軽いが動かすこと出来る。価格は動かないレンズより4000円ほど高くなるが、外観は全体的にキレイでレンズ玉も経年劣化はあるものの、美品に入るほうだと思う。

ピントも合わせられたし、付けさせてもらってレンズの写りを確認してみる。しっかりと輪郭を捉えることが出来るだなと思いつつ、「これを買います」と現金を取り出してご精算する。購入したらフードとフィルターが付いてきた。かなりお得なのでは?と思った。

フィルターだって1000円はするし、小さいものだと需要がないため売っていないこともある。フードも買えば1000円はくだらない。ピント動作確認も出来て撮影させてもらって納得した上で購入できるというのはとても嬉しいことなのである。

FED50mmF3.5のデータと写真作例

FED50mmF3.5

  • ソ連製レンズ
  • テッサータイプ
  • Leicaエルマーに似せて作ったもの
  • 相場1万円から1万5000円前後
  • 個体によってピントに精度が違うので注意

写真作例

大阪駅

大阪駅を撮影しながら感じたのは、よく写るということだ。シャープな写りとしっかりとしたボケを存在する。

確かにLeicaエルマーの似非レンズと言われるほど。レンジファインダーカメラを使えばピント精度に甘さはあるものの、ミラーレスカメラに装着することでピーキング機能を使うことが出来るため、あまり気にせず撮影することができる。

なのでよく写ることが確認できる。ピントが合っていないと感じることはない。ミラーレスカメラで楽しめるレンズだなと思った。

本町・心斎橋

大阪駅から心斎橋へと向かう。たくさん撮影してくなかで分かったことは、レンズ自体は似非と呼ばれているものの、優秀なレンズには劣らないレンズであること。確かに経年劣化はあるもの、負けず劣らずの写りを発揮してくれている。

淀屋橋

大阪枚方

大阪枚方で撮った雲もみて分かるように、雲の輪郭を撮られているのが分かる。とっさにピントを合わせて撮るだけで、存在感がある雲を撮影することができた。

似非レンズじゃなくてFEDレンズです。

FEDとはソ連という意味がある。確かにレンズ構成、見た目はLeicaエルマーなのかもしれない。しかしその写りは優秀とは言えないけど、はっきりとした描写を確認することもでき、背景のボケも柔らかく感じた。

新しいレンズを選ぶことも確かに大事だが、小さなオールドレンズの出会いに感謝しなければいけない。

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